ETC車載器のメリット・デメリット
長距離のバイクツーリングやドライブにおいて、高速道路の利用は避けて通れない。
その高速道路をスムーズに、そしてお得に走行するためにETC車載器は、今や必須の装備となっている。
料金所で停車することなく通過できる快適さはもちろん、時間帯や区間によって割引が適用される経済的なメリットも大きい。
しかし、ETCを導入するには車載器の購入費用やセットアップ、取り付けといった初期費用が発生する。
また、バイクの場合は雨天時の取り扱いやセキュリティといった、車とは異なる注意点も存在するのだ。
本記事では、高速道路利用の快適性を劇的に向上させるETC車載器のメリットとデメリットを整理し、バイクや車に導入を検討する際の具体的な注意点について解説する。
スムーズな高速移動を実現するための参考にしてほしい。
ETC車載器がもたらす圧倒的なメリット
ETC車載器を導入することで、料金所でのストレスから解放され、時間的・経済的な多くの恩恵を受けられる。
料金所でのストップ&ゴーが解消される
ETCの最大のメリットは、何と言っても料金所で一切停車する必要がないことだ。
バイクの場合、料金所でグローブを外して料金を支払い、またグローブを装着して発進するという一連の動作が不要になる。
特に雨天時や夜間、そして交通量の多い料金所では、このストレスからの解放は非常に大きい。
支払いの手間がないため、料金所をスムーズに通過でき、後続車を待たせる心配もない。
これにより、高速道路の出入り口付近で発生しがちな渋滞の緩和にも貢献していると言えるだろう。
各種割引制度が適用され通行料が節約できる
ETCを利用する最大の経済的なメリットは、各種割引制度の適用を受けられる点にある。
代表的なものとしては、通勤割引、深夜割引、休日割引などがあり、適用されれば通常の通行料金よりも大幅に安くなる。
例えば、土日祝日の地方部区間を走行する場合の休日割引や、深夜帯(0時〜4時)に利用する深夜割引は、長距離ツーリングをするライダーにとって非常に恩恵が大きい。
これらの割引は、ETC車載器を搭載していることが条件であり、現金での支払いでは一切適用されない制度だ。
ETCマイレージサービスでさらにお得になる
ETCを利用すると、通行料金の支払い額に応じてポイントが貯まる「ETCマイレージサービス」に登録できる。
貯まったポイントは、還元額(無料通行分)として高速道路の通行料金に充当できるため、頻繁に高速道路を利用する人ほどお得になるシステムだ。
このサービスは、カード会社が行うポイントサービスとは別に、高速道路会社が独自に行っている。
申し込み手続きが必要ではあるが、登録しておくことで、実質的な通行料金の割引につながるため、導入する際には必ず登録すべきである。
ETC車載器導入に伴うデメリットと考慮点
多くのメリットがある一方で、ETC車載器の導入には初期費用や、いくつかの考慮すべきデメリットが存在する。
初期費用とメンテナンスのコストがかかる
ETCを導入するには、まずETC車載器本体の購入費用がかかる。
さらに、車載器を車両に取り付けるための工賃、そして車載器に車両情報などを登録するセットアップ費用が必要となる。
これらの初期費用は、車種や取り付ける業者によって異なるが、万単位の出費となる。
また、車載器本体にも寿命があるため、将来的な交換費用や、故障時の修理・再セットアップ費用も考慮しておこう。
バイク特有の取り付けや盗難リスクがある
特にバイクの場合、ETC車載器の設置場所は防水性や振動対策を考慮する必要がある。
多くはシート下などに収納されるが、料金所で使用するETCカードの抜き差しのため、アンテナやインジケーター(表示器)を視認しやすい位置に取り付けなければならない。
また、車載器本体がむき出しになる場所に設置される場合は、盗難やイタズラのリスクも高まる。
バイク用のETC車載器は、盗難対策として防水性・耐振動性に優れた専用品を選ぶべきである。
ETC導入時に失敗しないための注意点
ETC車載器の導入を後悔しないためにも、購入から取り付けまで、以下の点に注意すべきである。
ETCカードの準備と有効期限の確認
ETC車載器本体だけでなく、ETCカードも事前に準備しておく必要がある。
ETCカードはクレジットカード会社から発行されるものが一般的だが、有効期限が設定されているため、ツーリング前に必ず期限切れではないか確認しよう。
期限切れのカードでは、料金所でゲートが開かないというトラブルが発生するからだ。
信頼できる販売店でのセットアップが必要である
ETC車載器購入後、車両に取り付けただけでは使用できないのを知っておこう。
車両情報を車載器に登録する「セットアップ」作業が必要であり、これは認定された取扱店でなければ実施できない。
自分で取り付けた場合でも、セットアップ作業だけはプロに依頼する必要があるのだ。
正規のセットアップを行わずに使用した場合、割引が適用されなかったり、料金所でトラブルが発生したりする可能性があるため、必ず信頼できる販売店や専門業者に依頼することが肝要である。
ETC車載器は、初期費用はかかるものの、長期的に見れば割引制度や快適性という点で、そのメリットがデメリットを大きく上回る装備である。
これらの情報を参考に、安全でスムーズな高速移動を手に入れてほしい。